早生と晩生の稲の開花時期ははどの位違うか?
酒米の晩生品種・早生品種
酒米に使われるお米の品種には、晩生(おくて)品種・早生(わせ)品種が有るということは、聞いたことがあると思います。(さらにその間の中手(なかて)も有ります)
晩生品種の代表は、山田錦や雄町など。早生品種の代表は五百万石や兵庫北錦などがあります。亀の尾や美山錦は中手品種になります。
稲はご存知の様に東南アジアが原産の暖かい気候に適した植物で、夏至を過ぎて日照が短くなり始めた頃に穂をつけ開花する植物です。ですから、晩生の品種が元々の姿に近いわけですが、それでは寒冷な地域では開花してから実が熟すまでに時間が足りないので、品種改良されて早生品種ができました。
早生品種というのは早く開花して実がみのる品種ですが、夏至を境に穂が育つ晩生品種と異なり、具体的には累積の温度で穂を出し開花します。
さて、私の取材させてもらっている蔵元(西海酒造)さんの田んぼでは、晩生品種の山田錦と早生品種の兵庫北錦は隣同士に育っています。
なかなか直接比較して見ることも少ないと思いますので、比較してみましょう。
ちなみに田植えは同じ日に行っています。
兵庫北錦 開花
8月半ばの頃には、早生の兵庫北錦は稲穂が開花しています。山田錦は夏至になってから稲穂が育ち始めるため、まだ稲穂が見られませんが株はかなり増えているのが分かります。あまり株が増えすぎると稲穂への栄養が行き渡らないので、増やし過ぎないのも米作りのテクニックだそうです。
山田錦(まだ稲穂が出ていない)
9月上旬になると山田錦も稲穂が育ち、開花し始めています。
山田錦 開花
兵庫北錦( 9月 )
一方で、この頃には兵庫北錦は実が育ち、すでに稲穂が頭を垂れています。
中央の畔を境に、向かって左側が山田錦、右が兵庫北錦です。成長の違いがよく分かりますね!
一般に早生の品種と比べると、晩生品種の山田錦は刈り取りが1ヶ月くらい後と聞きますが、その通りであることがわかると思います。